グレン・グールド関連をいろいろ検索しているうちに、小川洋子さんの『不時着する流星たち』という本を見つけた。
実在した人物や事件などをヒントに書かれた10編の短編集。
その第5話のモチーフとなったのが、グレン・グールド。
私の大好きな作家とピアニストのコラボなんて、何も考えずにポチるに決まっている。
短編集とは言っても順番通りに読むことがセオリーなのだが、今回は待ちきれず、まず第5話『測量』を先に読んでしまった!
目の見えないおじいさんと大学生の孫が、おじいさんの言う「大金持ちだった子供の頃に所有していた広大な土地」を歩数を数えて測量するという話。
おじいさんの頭の中に響く”口笛虫”の音楽や、孫に聞こえる、きっちり数える足音と歩数の音楽が、グールドのピアノを思い起こさせる。
小川洋子さんの描く世界と、グールドのストイックなピアノがピタリと合わさっている感じ。
この物語を、映画で観てみたいと思った。
私の頭の中では、もうすでに、おじいさんと孫が肩を寄せ合って歩く姿に、グールドのピアノが、そう、やっぱりここはバッハがね、聞こえているのだけれど。