ひとつ躓くと事件が続いてしまう件

職場の更衣室に着いてすぐに、家に制服を忘れたことに気がついた。

その日は予報で気温30℃と言っていた通り午前11時にはすでに暑かったので、家まで往復20分歩いて制服を取りに帰る気が起こらなかったし、会社にある制服を借りてクリーニング代を取られたとしても、削られる時給よりそっちの方が安いので、借りることにした。

朝からケチがついちゃったなあ、嫌だなあ。

何にも起こらないといいけど。

今までの経験則でいうと、どうも、ひとつ何か事が起こるとそこから歯車が狂いだし、連鎖反応でいろいろなことが起こる気がする。

そんなことを思っているからかどうかはわからないが、やっぱり、事件は起こった。

しかも、レジが長蛇の列のときに限って。

会計が終わったとたん、お爺さんが「袋がない」と言い出した。

「有料袋をご利用になりますか?」と尋ねると、

「袋がなくちゃ持って帰れない」とごちゃごちゃ言うだけで、 「買う」とも「買わない」とも明確な返事をもらえない。

すったもんだの挙句に、買うことになったのだけど、次は支払方法でお爺さんは迷う。

「5円だから現金の方がいいかね?」と言いながら、財布をごそごそ探し出す。

購入商品のお会計はクレジット払いだったので、カードはお爺さんの手の中にまだある。

「クレジット支払いでも構いませんよ」と言ってみるも、財布をさがすのに一所懸命なお爺さん。

後ろに並ぶお客さんの視線はお構いなし。

挙句、財布は出したものの5円玉は見つからず、クレジット払いをすることになり、私がレジのボタンを押しレシートがピーっと出てきたとたん、お爺さんが、

「ああ、やっぱり、あそこにある段ボール箱(お客様用)をもらって帰るから、袋は要らねえ。」

と言い出した!

「何?!」と思わず声が出そうになるのをぐっとこらえて、「袋代の返金操作をしますので、少々お待ちくださいませ。」と伝えた。

にもかかわらず、お爺さんは袋をポイと私に差しだし、とっとと段ボール置き場へGO。

私はひとり背中にお待ちのお客様の冷たい視線を受けながら返品レジ操作をし、爺さんを追いかけて5円の返品レシートを渡した。

まったくもう。

そして、午後からもうひとつ。

やっぱり、レジは長蛇の列。

若い女の人が、空っぽの総菜パックを持って私に声をかけてきた。

「すみません、落としてしまいました」

と申し訳なさそうな視線の先には、四方八方に飛び散った総菜が!

うわ~これはまた派手にひっくり返しましたね~という感じ。笑

他のお客様が踏んづけてひっくり返っては大事になるので、ただちに、買い物カゴで囲って、掃除部門に電話をかけるも、誰も出ない。

どういうこと?

とりあえず、先に、お客さんに渡す代替商品を売り場に依頼する内線をかけたら、係のおばちゃん「同じ商品があるかどうか売り場に出てみないとわかんないんだよねえ」とのたまう。

レジが長蛇の列だからたのんでいるのに、しかも、アナタの売り場の商品のことなんだから、さっさと見に行ったらどうなのよ!と言いたいのをぐっとこらえ、とにかく、レジが混雑しているので、対応してくれとお願いして電話を切る。

その後、掃除係員から折り返し電話があり、状況を説明して掃除を頼んだり、なぜかまた総菜部門から「同じ商品がないのよ~」というわけのわからない電話をもらう。

お客様の責任で商品がだめになってしまっても、取り換えるのが我が社の方針、同等商品を提案するとかさ、そちらの上司と相談するなりして決めてくれないと、私に聞かれても困る。

もちろん、その間、私のレジのお客さんは、いちいち待ちぼうけ。

まあそれでも、不幸中の幸いだったのは、レジ待ちのお客さんたちが怒り出さず辛抱強かったこと。

「お待たせして申し訳ございません」の連呼だったけれどね。

そして、一日、終わってみればとりあえず打ち違い(レジの間違い)はせずに終了。

良かった~。

レジチェッカーにとって、打ち違いはかなりのダメージだからね。

それがなかったのは、ほんとホッとした。

いや、あとで判明して、忘れたころに「打ち違い報告書」なるものを書かされることもあるので、わかんないけど。

ま、まずは、とりあえあず、ね。

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